ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

はてなダイアリーから移行。元は読書メモ、今はツイッターのログ置き場。

2009-01-01から1年間の記事一覧

鈴木孝夫『日本語教のすすめ』(新潮新書、2009年10月)

日本語教のすすめ (新潮新書)作者: 鈴木孝夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/10/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 16回この商品を含むブログ (20件) を見る 鈴木孝夫である。タイトルはアレだが、中身はいつもの鈴木節で、鈴木孝夫のエッセンスを入…

『英国レディになる方法』(河出書房新社、2004年9月)

「英国・ヴィクトリア朝の女性と子どもの生活誌」。事典式に、豊富な図版で、生活の細部を浮かび上がらせる。すてきな本である。著者は岩田託子と川端有子。英国レディになる方法作者: 岩田託子,川端有子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2004/09/11メ…

「THE ハプスブルク」展を観に国立新美術館へ行った

良い天気だったので午後から国立新美術館へ。いまさらながら、国立新美術館というのはおかしな名前だなあと。英語名はThe National Art Center,Tokyoである。「THE ハプスブルク」というのもすごい。こういう田舎くさいタイトルはやめて欲しいがどうでも…

イタロ・カルヴィーノ『マルコヴァルドさんの四季』(岩波少年文庫、2009年6月)

あ、マルコヴァルドさん・・・。 思わずつぶやいてしまって、あわててあたりを見まわした。同じ新着本コーナーを見ていた下級生の男の子が、ん? って顔してこっちを見てる。やばいやばい。図書室では静かにしましょう。 でもね、なんか、なつかしかったんだ。…

Jan Hillesheim『ビールを楽しむドイツ語』(三修社、2009年9月)

三修社はちょっと変わった楽しげな語学参考書というか会話集を出しているけれど、これもそう。ゲーテ・インスティトゥートの講師が書いた、ビールに特化した会話・表現集である。ビールを楽しむドイツ語作者: ヤンヒレスハイム,金子みゆき出版社/メーカー: …

ノーベル文学賞はHerta Müller

すでにご存じのことと思うけれど、今年のノーベル文学賞をドイツの作家ヘルタ・ミュラーが受賞した。ドイツ人作家としては、ギュンター・グラス以来10年ぶりのこと。2004年にオーストリアのイェリネクが受賞しているから、ここ10年で3人、ドイツ語で書く作家…

Figaro voyageとpenと週刊文春

あまり知られていないことだが(実はぼくも少し前まで知らなかった)、今年は「日本オーストリア交流年2009」なのだった。夏に行ったザルツブルクの美術館で日本美術展をやってたのも、この関連だったようである。 なんでも、日本とオーストリアの「外交関係…

Spiegel Specialの記事:Visual Keiの話

Der Spiegelの特別号Special、2009年第1号は、20歳から35歳までのドイツの若い世代特集。巻頭のエディトリアルによれば、若者たちは定着をせず、グローバルに思考し、常にネットとつながっている、そしてそれ以前の世代が経験したことのない大きな危機のなか…

秋の日射し

昨日、授業で学生に「先生、疲れ切った顔をしてますね」と言われてしまった。たしかに不調なので、やはり教壇に立つとごまかしはきかない。熱のでない風邪的症状が続いている、この時期はいつもこんな感じだ。鼻の奥が痛む。 娘をバレエのレッスンに送ってい…

川岡義裕・堀本研子『インフルエンザ パンデミック』(講談社ブルーバックス、2009年9月)

朝日新聞の「天声人語」を批判するのは、もはやヤボなこと、ベタすぎてかっこわるいことになっているのだろうけど、しかし今日(9月23日)のやつは、久しぶりにふと読んでしまって、やはりひどい、いやむしろ、ふざけるな、と言いたい気分になった。 「浪速…

男と女とチョートク

母親がおばたちと話をしているのを横で聞いていて、子ども心にいつも不思議に思っていたことがあったのだ。 ある話題で話をしていて、だれかがしゃべっている途中で、聞いているほうがその話題と全く関係ないことをふっと言って(たとえば「あら、これおいし…

「近代演劇」と「歌舞伎」のあいだ

神山彰『近代演劇の来歴−歌舞伎の「一身二生」』(森話社、2006年3月)と『近代演劇の水脈−歌舞伎と新劇の間』(2009年5月、森話社)、読了。近代演劇の来歴―歌舞伎の「一身二生」 (明治大学人文科学研究所叢書)作者: 神山彰出版社/メーカー: 森話社発売日: …

ドイツ映画祭2009

情報。 今年も新宿バルト9で「ドイツ映画祭」だ。10月15日(木)から18日(日)まで。一昨日からチケットの一般販売も始まった。公式ホームページはここ。 http://www.germanfilmfest.jp/index.html 今年のベネチア映画祭で審査員特別賞だった、旬の映画監督…

月刊「言語」休刊

少し大きめの本屋ならたいてい置いてあった大修館の月刊「言語」をあまり見かけなくなったなと思っていた。學燈社の「國文學」が今年の7月号で休刊になり、つぎはあれかな、と。今日町田のリブロでふと気になって手に取り、ぱらぱらとめくったところに「休刊…

上橋菜穂子「守り人」最初の3巻を読んで続きは少し我慢

圧倒的に面白いので、少しずつ読む、ということができず、抱えているやるべきことの時間がとられてしまうから、とりあえずストップをかけた。授業が始まったら、行き帰りの電車の中で続きを読むことにしよう。 最初の3本のなかで言うと、物語のしつらえは最…

青い花

ノヴァーリスではなく、志村貴子である。青い花 4巻 (F×COMICS)作者: 志村貴子出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2009/04/23メディア: 単行本購入: 17人 クリック: 66回この商品を含むブログ (169件) を見る 女子高校に通う女の子たちの物語。もうひとつ連載…

山口昌男『学問の春 〈知と遊び〉の10講義』(平凡社新書、2009年8月)

新書479学問の春 (平凡社新書)作者: 山口昌男出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2009/08/11メディア: 新書購入: 4人 クリック: 53回この商品を含むブログ (47件) を見る 山口昌男が1997年に札幌大学に作った文化学部(はじめは学部長、のちに2002年度まで札幌…

長ネギ問題

日々のお買い物を実践するにあたって「長ネギ問題」を避けて通れないことは皆さんご存じのことと思う。 ぼくは夏休みのあいだ、午前中家でなすべき日々の課題をこなし、昼に外へ食事に出て夕飯の買い物をして帰る(食事の後は喫茶店で読書することも多い)と…

長谷川四郎

「KAWADE 道の手帳」シリーズの最新刊は、長谷川四郎。生誕100年とのこと。長谷川四郎--時空を超えた自由人 (KAWADE道の手帖)出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/08/21メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 21回この商品を含…

Nintendo DSを海外旅行に持っていく際にはご注意ください

ムスメがドイツ旅行に持っていったDSi、充電は変換プラグだけ持っていけばだいじょうぶだと思っていたら、実は海外用の別のACアダプタが必要だった、とホテルで充電しようとしてようやく気がついたのだった。 仕方ないのでSaturnに行って聞いたら売り切れ、…

「民意」と選挙制度の関係は・・・

総選挙の結果に関して、やっぱりひと言メモしておこうと思う。 さまざまな理由・過程はあるにしても、ひとつの政党にこれだけ大きな数の力を与えられたという状況が、とてもイヤである。 この大きな「振れ」はつまり、かなり多くの人びとが4年前には自民党に…

飛行機で過ごす長い時間に

読む本として持っていったのが、新潮文庫版の上橋菜穂子『精霊の守り人』と『闇の守り人』。ついに禁断の書に手を出してしまった。 上橋菜穂子は『獣の奏者』1、2巻を読んだだけだったのだが、これは『守り人』シリーズはいま手を出したらまずい、つまり読…

ミュンヘンに行ってきた

一週間ほど、ミュンヘンに家族で旅行してきた。恩師がサバティカルで滞在しているのを訪ねていったのである。久しぶりのドイツだ(ドイツ語など教えているのに!)。 最初の数日はかんかん照りの天気、暑い暑い。しかし滞在中程では雨がふって、日が暮れると…

たのしい写真

お盆休みのようである。そして終戦記念日。夏の日差しのなかあちこちにころがる蝉の死骸と敗戦を重ねてイメージするのは、軍備増強とか核装備とか言う人びとと同じようなファンタジー的思考なのか。 ホンマタカシ『たのしい写真 よい子のための写真教室』(…

佐々木敦『ニッポンの思想』(講談社現代新書、2009年7月)

ニッポンの思想 (講談社現代新書)作者: 佐々木敦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/17メディア: 新書購入: 17人 クリック: 199回この商品を含むブログ (167件) を見る 著者の佐々木敦はぼくと同年代なのだ。肩書きは批評家、だろうか。80年代のいわゆ…

理系の世界

やらなくてはいけないことがあり、しかしそれは進まず、さまざまにわいてくるあれこれの関心事もそのやるべきことに圧倒されて中途半端なつまみ食いになり、結局身動きとれぬ状態のままなにもせぬ時が過ぎていく、という状況を少しでも崩すべくブログなどを…

学生の顔を思い出しながら採点しつつ大学で学ぶことについて考える

今朝、NHKの朝のニュースを見ていたら、大学全入時代と言われる現在、大学は中途退学者の増加に頭を悩ませている、として、ある大学の「取り組み」が紹介されていた。 その大学は(歴史は古いが4年制の大学となったのは最近のこと、経済経営学部のみの単…

採点でたいへんな日々

とりあえずメモ。 川口マーン惠美『ドイツ料理万歳!』(2009年7月、平凡社新書)を読む。著者はシュトゥットガルト在住25年と。長くドイツで暮らしてきたひとが率直にドイツの食事風景をスケッチしている。自分に自信があり、思ったことをストレートに言う…

岡田暁生『音楽の聴き方』(中公新書、2009年6月)

クラシック音楽を中心に、「聴き方」つまりは鑑賞の「型」を指南しよう、という本。感性にゆだねるのではない、学習すべき「聴き方」の枠組みがある、というのである。こういうタイトル、テーマの本は、ありそうで、ない。それはもちろん、クラシック音楽は…

徳永康元『ブダペストの古本屋』(ちくま文庫、2009年6月)

ブダペストの古本屋 (ちくま文庫)作者: 徳永康元出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06/10メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 38回この商品を含むブログ (27件) を見る 徳永康元といえば、ぼくにとってはまずはマレーク・ベロニカの『ラチとらいおん』の…