ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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たのしい写真

 お盆休みのようである。そして終戦記念日。夏の日差しのなかあちこちにころがる蝉の死骸と敗戦を重ねてイメージするのは、軍備増強とか核装備とか言う人びとと同じようなファンタジー的思考なのか。
 ホンマタカシ『たのしい写真 よい子のための写真教室』(平凡社、2009年6月)を読む。

たのしい写真―よい子のための写真教室

たのしい写真―よい子のための写真教室

 ホンマタカシ流、写真の歴史。彼によれば、写真はブレッソンに代表される「決定的瞬間」的なものと、ウィリアム・エグルストンやスティーブン・ショアに始まる「ニューカラー」的なもののふたつに大別される、と。
 独特なのは、そしてよく考えたらあたりまえなのだが、そのふたつの流れを使用する機材と結びつけていくところである。つまり、ライカと大型カメラ。あるいは、シャッタースピードを速くして絞りを大きくし、ピントを浅くすることと、遅いシャッタースピードで絞りを小さくし、ピントを隅々まで、手前から奥まで合わせること。だから言い換えれば、他でもない「この一瞬」を捉えることと、あらゆるものを「等価値」に置くこと、という態度の違い、になるわけだ。なるほど。
 載っている写真が、みんなすてき。写真集を紹介するのにも、ただ表紙を見せるだけではなく、ちゃんとそれ自体がホンマタカシの写真になっている。ライカとディアドルフといった機材の紹介写真も、しっかり「写真」していて楽しい。最後に堀江敏幸との対談があるのだけれど、堀江敏幸の顔写真がステレオ写真なのだ! そんなのあり? 平行法で立体視してみる。うわリアル堀江だー。


 ところでデジカメを買った。
オリンパスの、田中長徳式に言えば「ペンデジ」の白いの。

 カメラの大きさと重さのバランスが心地よい。


 「アートフィルター」というのはデジタルならではのお遊びだ。これはトイカメラ風。


 これは「ポップアート」。


 ホンマタカシティルマンスの写真集など欲しいけれど、高いしかさばるから・・・。