ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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「民意」と選挙制度の関係は・・・

 総選挙の結果に関して、やっぱりひと言メモしておこうと思う。
 さまざまな理由・過程はあるにしても、ひとつの政党にこれだけ大きな数の力を与えられたという状況が、とてもイヤである。
 この大きな「振れ」はつまり、かなり多くの人びとが4年前には自民党に投票し、今回は民主党に投票した、ということなのだろう。そういう、お手々つないで、的行動もとてもイヤ。
 どちらかがトリプルスコアで勝つ、という結果が今後も続くようなら、それはやはり選挙制度に欠陥がある、ということなのではないか。


 ドイツでも、9月に連邦議会選挙が行われる。ドイツは今年はSuperwahljahr、スーパー選挙年で、州議会選挙、大統領選挙、欧州議会選挙、そして連邦議会選挙がある(あった)のだ。
 8月30日にはザールラント、チューリンゲン、ザクセンの州議会選挙が行われて、どうやら中道保守でメルケル首相の属するCDUの退潮が明確になったようだ。それぞれ絶対多数を失い、CDUとFDPの「黒黄連合」は各州の政権を維持できない可能性が大きくなった。代わって伸びたのがDie Linke、左翼党(左派党)だ。
 左翼党は旧東ドイツの支配政党SEDの系譜を引く政党と、SPDの党首だったラフォンテーヌらがシュレーダーとの確執から脱党して作ったグループとが合体して、2年前にできた党である。
 だから国政レベルではSPDと連立する可能性は今のところ低いが、ザールラントとチューリンゲンでは、この2党に緑の党を加えた左派連合が成立するかもしれない。特に旧西ドイツのザールラント州で左翼党が政権を取るとなると、ちょっとびっくりだ。
 一方で極右政党のNPDも勢力を伸ばしているようす。
 つまり、ドイツでは現在国政で大連立を組むCDUとSPDが力を落とし(特にCDUに陰りがみえる)、有権者の志向は左と右の大きな幅のなかに拡散しつつあるということのようだ。そして比例代表併用制をとるドイツの選挙制度は、もともと連立を基本とする制度設計であって、人びとの志向の拡散は議会にもある程度反映される。これはこれで不安定を呼ぶ可能性がある(そのために5%条項がある)。
 もうじきドイツでも、政治的な変化がありそうだ。