佐々木敦『ニッポンの思想』(講談社現代新書、2009年7月)
- 作者: 佐々木敦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 新書
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ぼく自身もこの流れを同じように「ウォッチャー」として体験してきている、ので、読んでいてもうよくわかるったらないのである。高校のときに山口昌男とかレヴィ=ストロースとか読みかじり、大学に入ってすぐに『構造と力』と『チベットのモーツァルト』が出て、その頃うちの大学にいた山口昌男と中沢新一がコンビでやった講演会をのぞいたり(山口昌男が山岸涼子の『日出処の天子』を語り、黒板に厩戸皇子を描いていた)・・・。良くも悪くも、「ニューアカ」を出発点としてしまった世代なのだ。
本書の記述が非常にクリアなのは、この「30年」をひとつのまとまりとして捉えたこと、そして「プレイヤー」を著者なりの視点で厳選したことによるだろう。「ニューアカ・カルテット」たる浅田、中沢、蓮實、柄谷。「90年代」の福田和也、大塚英志、宮台真司。そして、「ゼロ年代」の東浩紀。
このうちで福田和也についてはあまりフォローしていなかったので、勉強になった。それと、大塚英志が入っていることで状況とそれぞれの立場が明確になり、また東浩紀のあり方も語りやすくなる。なるほど、と思う。
大塚英志の新しい新書を読んだが・・・これはまたあとでメモしよう。『1Q84』のあとにでも。