ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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Wilhelm Busch und die Folgen(EGMONT, Ehapa Comic Collection, 2007)

『マックスとモーリッツ』でおなじみのヴィルヘルム・ブッシュの、今年は亡くなってから100年目にあたる。ドイツではさまざまな催しが開かれたようだ。
エアランゲンの市美術館では、5月4日から8月3日まで『ヴィルヘルム・ブッシュとその後継者たち』展が開催された、と。
その展覧会の企画から派生したものとして、この本が出版された。
9人(組)のマンガ家たちが、ブッシュの作品からひとつ選び、それに触発されたマンガを描く、というもの。
まずアンドレアス・C・クニッゲによる解説(「絵物語からコミックへ」)があり(内容についてはまたメモすることにします)、そのあとにマンガが続く。
Ralf König, Laska, Ulf S. Graupner, Volker Reiche, Duo, Flix, Martin Tom Dieck, Ulf K & Martin Baltscheit, Anike Hage、というラインナップである。
一番の大御所はラルフ・ケーニヒだろう。1960年生まれ、ドイツ以外でもかなり有名なカートゥーニストだ。
気に入ったのは、ウルフ・K&マルティン・バルトシャイトの「Der kleine Herr Paul findet das Glück」。一切セリフなし、1ページ6つのコマ割り、シンプルだが洗練された絵柄、色彩で物語を見せていく。
日本のMangaに影響を受けた作家も含まれている。DuOは1986年生まれのふたり、ウクライナ生まれのAsuとポーランド生まれのReamiのコンビ。彼らのネットのサイトのタイトルは「スシとシーフード」。
http://www.manga-sushi.net/index.html
サイトを見ると、これはもう、日本のマンガそのものだ。この本に掲載されている「Die beiden Enten und der Frosch」は、ちょっとどぎついけれど。
もうひとりは、アニケ・ハーゲ(1985年生まれ)の、「Die feindlichen Nachbarn」。ドイツのウィキペディアでは、Mangastil-Zeichnerinとある。こちらはだいぶ大人っぽい絵柄で、なかなかいい。サイトはこちら。
http://www.snow-flake.jp.pn/
W.ブッシュとマンガの関係については、またいずれ。