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筑摩書房の今月の文庫よりドイツもの2点

読んでからだと時期を逃すので、とりあえず記す。
まずはちくま文庫、今泉文子編訳『ドイツ幻想小説傑作選 ロマン派の森から』。

ドイツ幻想小説傑作選 ――ロマン派の森から (ちくま文庫)

ドイツ幻想小説傑作選 ――ロマン派の森から (ちくま文庫)

新訳、である。ドイツ・ロマン派の研究者として信頼の置ける訳者であるから、読むのが楽しみだ。
ラインナップは、ティーク『金髪のエックベルト』、シャミッソー『アーデルベルトの寓話』、アルニム『アラビアの女予言者 メリュック・マリア・ブランヴィル』、アイヒェンドルフ『大理石像』、そしてE・T・A・ホフマン『ファールンの鉱山』。
シャミッソーのとアルニムのは、読んだことがないのだ。アルニムはちょっと苦手で・・・。
昔白水Uブックスに入っていた、種村季弘編の『ドイツ幻想小説傑作集』(1985年)、名前は似ているけれど、こちらはクライストやジャン・パウルからマイリンク、パニッツァ、ハントケ、トーマス・ベルンハルトまで、と幅広い。
もう一冊は、その種村季弘の『魔術的リアリズム』。
魔術的リアリズム―メランコリーの芸術 (ちくま学芸文庫)

魔術的リアリズム―メランコリーの芸術 (ちくま学芸文庫)

1988年にPARCO出版局から出たもの。解説は今泉文子だ。
魔術的リアリズム」とはすなわち、1920年代のドイツに登場した絵画の特徴、一般的には「ノイエ・ザハリヒカイト(新即物主義)」として知られている。その嚆矢はオットー・ディックス、マックス・ベックマン、ジョージ・グロッスなど。ヴァイマール共和国、「ローリング・トウェンティーズ」の時代。
演劇ではブレヒトも関係してくるだろうし、ホフマンの名前もたびたび出てくる。これも時間ができたらゆっくり読んでみよう。