『世界文学は面白い。』を面白く読んだ
奥泉光といとうせいこうの、おなじみ「文芸漫談」シリーズ、『世界文学は面白い。』(集英社、2009年6月)
- 作者: いとうせいこう,奥泉光
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/06/05
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
で、前作『文芸漫談』が出たときに、ほら、役者がそろえばやっぱりほんとに面白じゃん、と。
今回は世界文学。カフカ『変身』、ゴーゴリ『鼻』、カミュ『異邦人』、ポー『モルグ街の殺人』、ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』・・・というラインナップは、ぼくの趣味にもぴったり。
奥泉光の話は、「視点」や「イロニー」、作者の語り口や構成の工夫など、オーソドックスな「読み方」を押さえつつ、引用のポイントが的確。そこに正統派教養人の顔を持ついとうせいこうが絡むから、文学の講義としてクリアでオーソドックスである。もちろんそこに両人のユーモアセンスが加わって、楽しい「演し物」となっている。前に奥泉単独の講演は聞いたことがあって(夏目漱石の話だった)面白かったんだけど、このシリーズも実際のパフォーマンスを聞いてみたい。