ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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ハンス・コパー展へ行った

自律神経が狂っているので、暑い中を少しでも歩くとひどく汗をかくのである。とりあえず外出の時は帽子をかぶるようにしているが、そうすると頭が汗まみれになり、気持ち悪くてしかたない。髪の毛も張りついちゃうし。
いとうせいこう氏のアイディアから生まれたという男の日傘「docrot」というのがあるのをツイッターで知って、買ってみた。チタンカラーで、2箇所にいとうせいこう画のドクロの絵がついている。
それをさしつつ新橋へ。日差しが遮られるだけで、ずいぶんと楽だ。
パナソニック電工汐留ミュージアム、というところに初めて行った。「ハンス・コパー展」。

Hans Coper。1920年大正9年)、ドイツはケムニッツDDR時代はカール・マルクス・シュタット)生まれ。第二次世界大戦中にユダヤ人として故郷を追われ、イギリスでルーシー・リーと出会い、陶芸家となる。晩年は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患い、1981年に死去。
一見して強烈に惹きつけられる。色がないのに、モノトナスではない。形態はいくつかの基本形が反復されているのだが、並べられれば微妙な差異が驚くほど多様なリズムを生み出している。ひとつひとつが完璧なバランスとフォルムを持っているのに、作品群全体としては多様なのだ。
モノとしての強度。独創が普遍性へと溶けていく。
かなり難解だが、おそらくその難解さは、ルーシー・リーも共有しているもののような気がする。出自の共通性も絡みつつ。一見わかりやすいルーシー・リーの本質が、ハンス・コパーによって逆照射される。
会場を出ると、ちっとも難解でない、単純で無機質な風景が広がっている。暑さがさらにしみる。