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嫁の話と嫁をやめた人の話

森薫乙嫁語り 2』(エンターブレイン、2010年6月)を読む。

乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

第一次世界大戦直前の中央アジアを舞台とする物語の第2巻。遊牧民、定住した人びと、シルクロード。民族衣装、刺繍の模様、馬や羊、そして12歳の少年と8歳年上の妻。
前作『エマ』は新興貴族とメイドという身分の違いを乗り越えて愛を成就させる話だったが、こちらは8歳の年齢の差、遊牧民と定住民というライフスタイルの差が物語の推進力だ。
この巻でのハイライトはなんといっても「嫁心ついた」だろう。嫁いだ最初の日にはじめて夫と妻が顔を合わせる。そして生活を重ね、この話では年下の夫が妻の危機を救うという事件があって、はじめて妻の中に夫への、親愛の情を超えた愛情が芽生える。「愛」という言葉を使わず「嫁心」と言うことによって、西洋近代の「ロマンチック・ラブ」とは異なる形での「愛」と「結婚」のスタイルを描き出す。こういうところ、作者はなかなかうまいのだ。
内田春菊『私たちは繁殖している 10』(ぶんか社、2010年7月)
私たちは繁殖している (10) (ぶんか社コミックス)

私たちは繁殖している (10) (ぶんか社コミックス)

息子マル1は大学進学か・・・。出産子育てマンガは数あれど、こんなふうに長期にわたって続けてるのはないんじゃないか。しかし内田春菊は徹底して「作る人」なんだな。