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駆け込みで「ボストン美術館展」へ

森アーツセンターギャラリーでの「ボストン美術館展」、この日曜日で終わりだったが、なんとか行ってきた。
週末で体力が消耗しており、よろよろと気になったところだけ見ていったら、あっというまに出口だった。ちょっと拍子抜け。
構成も今ひとつで、明確な焦点を結ぶものではなかった。最後の「静物」4枚、これで終えるのは尻すぼみってものじゃないかしら・・・。
それでもベラスケスの肖像画エル・グレコ、ムリーリョは良かったし、ミレー「馬鈴薯植え」、それからコロー、マネ、ドガは堪能。
個人的な意見として、モネとかルノアールは(見慣れているからかもしれないけど)画集で見た印象と実物がそれほど大きく違わないのに対して、ミレーやマネ、ドガは実物が圧倒的にすごい。特にミレー。昔オルセーで「落穂拾い」や「晩鐘」を見たときは、見る前の、ふふん、ミレーか、なんて軽い気持ちがふっとんだ。
セザンヌ「池」はほんとに不思議な絵。ゴッホ「オーヴェールの家々」はいつまでも見ていたい。ゴッホは画面に描いたものすべてに、まったく同じ注意力と集中力を向けている。目に映るひとつひとつを怖いくらいに愛おしんでいる。それを画布に写し取るために繊細なタッチと構成を駆使している。セザンヌは個々の事物よりも、全体の画面構成に心を配っている。それが時にシュールにさえ感じさせる絵を作り出している。
でも本当は、ピーテル・デ・ホーホの「オランダの家の室内」みたいなのがちょっと好きなんだ。家に飾るとしたら、これ。
となりの森美術館でやっている「六本木クロッシング2010」にも行ってみた。ダムタイプの「S/N」のビデオインスタレーションが見られるかな、と思って行ったら、「調整中」と。僕の前にいた外人さんカップルもがっかりしていたよ。
なかでは高嶺格の「Baby Insa-dong」が良かった。サッカーのワールドカップをやっている今、見ながら「国」とか「母国」というものを考える。
NAMプロジェクトはジュール・ド・バランクール。ボラーニョ『野生の探偵たち』の表紙の絵を描いた作家だ。その絵も展示されていた。良い。
帰りにショップで奈良美智の「Gummi Girl」、ソランちゃんを買って帰ろうとよっぽど思ったのだけど、仕事帰りで荷物が多く、しかもこれから夕飯の買い物をして雨のなか娘を学童に迎えに行かねばならず、今回は断念。