ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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ワルプルギスの夜と忍者

4月30日から5月1日に変わる夜、ハルツ山中のブロッケン山にて魔女たちが集う。ワルプルギス(ヴァルプルギス)の夜である。
ドイツ文学を専門とする人間として、毎年この夜はゲーテファウスト』原書を繙きつつ、幽明の境に思いをはせるのだ。
というのはもちろん嘘である。読もうかな、と思うくらいがブロッケンじゃなくて関の山。ちなみにこの場合の「山」は祇園祭の山車のことらしい。
魔女の話は読まないが、錬金術師の話は読むのである。『鋼の錬金術師 25』。

鋼の錬金術師 25 (ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師 25 (ガンガンコミックス)

もう25巻目になるのに、1巻たりとも力の抜けたものがない。今回はついに最後の闘いへむけてフルキャストがそろった。
1か所、引っかかったところ。アルフォンスが自分の「肉体」と対面するのだが、魂の「入れ物」であるはずの体自身に、鎧に定着されたアルの魂とはまた別の「精神」が宿っている。ここが最終的にどのように展開するのか、楽しみ。
この作品、「錬金術」とはいうものの、形態というか分類としては「忍者」もの、だろう。欧米で受けるのは、『NARUTO』もそうだけれど、やっぱり忍者物系物語なのかなと思う。
ポケモンもね。
白土三平忍者武芸帳 影丸伝 14 15』を読んでいて、影の一族の「シビレ」は電気、「クサレ」は地面、「岩魚」は水に関わる忍術をあやつるのだが、ああこれってポケモンじゃん! と思ったのだった。15巻では、「ほのお」タイプや「むし」タイプも出てくるぞ。影丸ポケモンマスターだ。最後に、だいぶ雰囲気は変わって、『のだめカンタービレ 24』。番外編その1。
のだめカンタービレ(24) (KC KISS)

のだめカンタービレ(24) (KC KISS)

オペラである。本編の後半が真一とのだめの二人が中心の話となったかわりに、前半のキャストも含めてキャラクターを勢揃いさせる。それにはオペラはうってつけのモチーフだ。こうやってフォローするセンスがやはりさすがだし、作者自身もそれで一区切りつけたい気持ちだったのだろう。
以上、どれも読み応えあって楽しかった。