ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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RadlerとLimonade

二玄社自動車雑誌"NAVI"は休刊になってしまったが、同時に休刊を予告されていた"BICYCLE NAVI"は、編集部が二玄社より独立して「ボイス・パブリケーション」という会社を設立して制作をにない、販売を二玄社に委託する、という形で存続することになったようだ。
自転車のブームが続いていること、そしてクルマを持つことよりも自転車で軽々と移動することを良しとする若い世代の志向が、このなりゆきに如実に表れているように思う。
ぼくも、今月号の"CAR GRAPHIC"の編集長巻頭言を読んで、自分たちの狭い領域に閉じこもった、独善的なその内容に、もう買うことはないかもな、と思ったことだった。
カーグラは一般社会から隔離された特殊な趣味人の雑誌としてこれから細々と生きていくのだろう。
さて、バイシクルナビの最新号、世界の自転車ニュース紹介というコーナーに、「『自転車乗り』というカクテル」という記事があった。

南ドイツやオーストリアを旅すると、自転車の絵が描かれた飲み物を目にする。名前もずばり『ラードラー(Radler=自転車乗り)』だ。

ラードラーは、ビールをLimonadeで割ったもの。ビールベースのカクテルである。日本ではフランス語でパナシェというらしい。
由来がその記事に書かれているのだけれど(1922年にミュンヘンの食堂経営者クーグラーが、サイクリストの集まりでビールが足りなくなり、レモネードを混ぜた、というもの)、ドイツのウィキペディアを見ると、それは伝説に過ぎない、とのこと。
いま、Limonadeを「レモネード」と訳したけれども、問題はここだ。
独和辞典を引くと、どれも「レモネード」となっている。あるいはそれに加えて「ラムネ」と。レモネードという言葉で我々がイメージするのは、喫茶店でたのむと出てくる、レモン果汁たっぷりのしゅわしゅわの飲みもの、ではないだろうか。
でも、ドイツでLimonadeとかその省略形のLimoというと、たとえばオレンジ味もあるし、ファンタやスプライトだってLimoと呼ばれてる。
Dudenの独独をみると、こう書かれていた。

alkoholfreies, kohlensäurehaltiges Getränk aus Obstsaft od. entsprechender Essenz, Zucker u. Wasser.

アルコールの入っていない炭酸入りの飲み物で、果汁や果汁エキス、それと砂糖、水を材料とする、と。
つまり、基本的には果汁を用いた、たいていレモン味かオレンジ味の、甘い炭酸飲料、ということかな。
本当の果汁が必ず必要なのかどうかは、よくわからない。ファンタオレンジは果汁はいってないよね。ちなみに「ラムネ」はレモネードという言葉がなまったものらしいけれど、これは無果汁のサイダーだ。
無果汁のものを指すものとして、Brauseという言葉もあるようだ。このあたりはもっと調べてみる必要がある。
Speziはコーラをオレンジ味のLimonadeで割ったもの。Schwip Schwapもおなじような飲み物だけど、こちらはペプシコの製品。