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町田和彦(編)『図説 世界の文字とことば』(河出書房新社、2009年12月)

図説 世界の文字とことば (ふくろうの本/世界の文化)

図説 世界の文字とことば (ふくろうの本/世界の文化)

河出書房新社の「ふくろうの本」シリーズの一冊。
世界にあるいろいろな言語を、「文字」の系統で分けて紹介している。寝る前に読んで、眺めて、楽しんだ。楽しいのだ。
系統は4つ。ギリシア文字の系譜、アラム文字の末裔たち、ブラーフミー文字の子孫たち、そして漢字の一族。
ラテン文字はまあおなじみだけれども、アラム系のたとえばアラビア文字などは、やっぱり不思議。流れ、うねる曲線とちりばめられた点が、目に快い。けれど実際に使っている人々にとっては単なる文字にすぎないはずで、それもまた、考えると不思議なのだ。
学生の時に、ペルシア語科の女の子に、自分の名前をペルシア文字で書いてもらったことがあったっけ・・・。
ヒンディー語デーヴァナーガリー文字も一本筋が通ってしかもリズミカルでよい。テルグ文字やカンナダ文字は、丸っこくてほんとうにかわいらしい。
日本語の文字の項目を執筆しているのはインド出身のかたのようだ。それもおもしろい。
こういう本で全体をまとめて眺めてみると、中国語や日本語のように「わかち書き」をしない文字の書き方がかなり特殊だということがよくわかる。
昔、大学の言語学の授業で、右から左へと横に書いていって突き当たったら折り返してこんどは左から右へ、という形で、つづらおりのようにというか、書いていく文字とか、ぐるぐると螺旋状に書いていく文字がある(あった?)というようなことを聞いた記憶があるのだけれど、この本にはそういうのはなかった。
さて、われらがドイツ語は、ラテン文字使用の言語である。フラクトゥアとかズュッターリーンなどが紹介されている。
「ドイツ語」のドイツ語、Deutsche Sprache が「ドイチェ シュプラッヒェ」となっているのが残念。「シュプラーヘ」だ。