ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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「NAVI」休刊、と。

二玄社発行の雑誌、「NAVI」が4月号で休刊、というニュースに驚く。
驚くが、しかし、ああやっぱり、という感もあり。
創刊から、ほぼ毎号買って読んでいたのだが、ここ数年はほとんど買ってなかった。
昨年末の、恒例の「○と×」の号は買った。編集長が交代する、と書いてあり、新編集長の紹介もあった。リニューアルの予告も。それが年あけてすぐに休刊の発表とは。
自動車を通して、文化を、社会を語る、あるいは逆に、社会や文化を通して自動車を語る。そういう雑誌だった、もともとは。
初代の大川編集長、2代目のスズキ編集長のところまでは、その本来の姿を保っていたのだった。そして、「NAVI TALK」が終わった頃から、イキの良さが失われていったように思う。徳大寺、舘内、大川の3人は、真剣な考察をユーモアでくるんで語っていた。今誌面に登場している評論家たちは、「軽く、ふざけつつ語る」スタイルばかりが目立つ。
一番おもしろかった頃には、田中康夫浅田彰の「憂国呆談」も(「CREA」をひきついで)載っていたし、矢作俊彦の『スズキさんの休息と遍歴』だって連載されていた。
鈴木編集長は、GT-Rでヨーロッパを走ってダニエル・コーン=バンディにインタビューしに行ったり、なんてしていたのだ。
スノッブと言いうなら、言えばいい。けれど、クルマをダシにしてちょっとスノビッシュに振る舞うことができた時代があった、ということなのである。
じきに、クルマは家電製品になるだろう。過去を懐かしむことのできる「CG」は生き残れたとしても、クルマと「今」をなんらかの「思想」のもとに語ることはできなくなった。
もちろん、直接的には、自動車関連の会社に、広告費を払う余裕がなくなってきたことが休刊の原因なのだろうけれど。