のだめとよつばと
今日はたまたま午後の授業が休講になり、昼過ぎに帰宅。やるべきことはあるが、体調不良につき休養を優先するのである。この間もそう書いた気がするが気のせいだろう。マンガを二冊買ってきて読む。
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: コミック
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人生を今生きているそのさなかには、きれいな大団円などないのだ。自分の生も人と人との関係も、常に動き、揺れ、ずれ、重なる。しかしそのあいだにも、ひと段落だったり転機だったり次の段階へのステップだったりする瞬間がある。その微妙な瞬間をとらえて結末に持ってきた、作者のストーリー・テリングの力はすごい。
きっと作者も、しっかりと人生を生きているのだろう。そう思わせる終わり方だった。なかなかこうは終われないよ。あとあじがよい。
- 作者: あずまきよひこ
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2009/11/27
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こちらがかいているのは「人生」じゃなくてユートピアだ。だれにとっての? 作品のなかでは、よつば、の。つまりは、子どもにとっての。「はっけよい」の乾杯をいっしょに真剣にやってくれる大人たちに囲まれている、究極的に幸せな子ども時代。
さらに。この作品の世界は、たとえばプロイスラーの『小さな水の精』と同じ性質のものかもしれない。われわれにはなじみの(人間の)世界が、水の中で生まれた水の精の子どもにとっては、初めて見る新鮮な世界として映る。原初的な形での「異化」の作用が読者に及び、もうひとつの客観的な「目」を獲得することになる。
よつばも、小さな水の精のように、「外からやってきた」異人である。詳しくは明かされないが、どうやら生まれたのは日本以外の国であり、「とうちゃん」が育てることになって日本の日常世界へとやってきた。第1巻では、ブランコでさえ初めて見るモノだったのだ。この巻でも、「予定」というもの、ショッピングモール、気球など、よつばの初めて体験を読者は眺めて楽しむ。
まとめれば、読んでいて幸せで楽しいってことなのだ。