ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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ヴィジュアル系ベルリン本2冊。

 ベルリンを紹介する、おしゃれ写真中心のA5版サイズの本を、2冊見つけて購入。
 ひとつは、見市知『ベルリン 東ドイツをたどる旅』(産業編集センター、2009年9月)。

ベルリン―東ドイツをたどる旅 (私のとっておき)

ベルリン―東ドイツをたどる旅 (私のとっておき)

 ドイツ統一の年に東ベルリンに留学していたという著者による、場所やモノをめぐる「東ドイツ」探訪である。著者は今、ベルリンの西側に住んでいるのだそう。
 「私」を主語にして、体験したこと、見たこと、感じたことを飾り気なく語っていく著者の文章に、好感を持った。著者撮影の写真もすてき。見せたいことと語りたいことがきちんと一致していて、とてもうまい。こまかい装幀やデザインにも神経が行き届いている。
 トレプトウ地区にも壁の跡があると友人から聞いた著者は、案内をしてもらってこの地区の壁跡を自転車で2日間たどってみる。のどかな風景を見せるこのあたりは、しかし壁を越えようとして15人の人が殺されたという過去を背負っている。その中には10歳と13歳の子どももいた。最後に射殺されたのは20歳のクリス・ゲフロイ。1989年2月6日のこと。その年の11月には、壁が開くのだ。添えられている写真は、クリスの慰霊碑、いくつも並んだ、錆びたガレージ、砕かれて砂利に加工されるのを待つベルリンの壁。そこにはセンチメンタルなものはない。即物的な、ひんやりとした、歴史の風景。
 もう一冊は、久保田由希著、Hans Grunert撮影『ベルリン、わたしの部屋づくり』(辰巳出版、2009年10月)。
ベルリン、わたしの部屋づくり

ベルリン、わたしの部屋づくり

 こちらもベルリン在住のライターによる、インテリアの本。タイトルの「ベルリン」のあとに「、」がついているところが、おしゃれ度の高さを物語っている(うそ)。
 ベルリーナーやベルリーナリンたちのおしゃれな部屋を、間取り図付きで、きれいな写真で紹介している。単純に、楽しい。間取り図っていいなあ!