ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

はてなダイアリーから移行。元は読書メモ、今はツイッターのログ置き場。

かけがえのない、ありふれた一日


 娘とふたりで留守番の休日。近所のパン屋に3時のおやつを買いに行く。そこのスコーンが娘のお気に入りなのだ。なんということのない時間、いつもの一日。しかしそこでカメラを構えると、なんということのない時間、いつもの一日、というフレーズが意識のなかに浮上し、歩くぼくと娘を、歩くぼくと娘である、と意識する意識が生まれる。意識が分裂する、のでもない。相互浸透する意識の幾重もの重ね合わせ、シュレーディンガーの猫。写真が撮られ、像がプリントなりPCの画面に浮かぶと、そこにはぼくにとってのプンクトゥムが生じ、ありふれた、しかし泣きたいほどいとしいイメージが定着する。それが定着する、という未来をすでに知りつつシャッターを押す、その瞬間に、写された画像を見る自分とそこに写されているいとしい過去が重なり合うのだ。未来と過去がいだき合う、幸福な現在。