キリストつながりで

　キリストの身体、などと考えていたら、思わず中村光『聖☆おにいさん』を3巻まとめて買ってしまったのだった。

聖☆おにいさん(3) (モーニング KC)

　今年度の手塚治虫文化賞・短編賞受賞。イエスとブッダが休暇をとって下界で過ごすのである。立川の風呂なしアパートで、Ｔシャツとジーパン姿で。ギャグマンガだ。おもしろい。
　イエスはサウナでやくざの兄さんに、右脇の聖痕を見られて同業者だと勘違いされる。兄さんの網走ムショ帰りの話とイエスのゴルゴダから三日で復活の話がシンクロする会話など、よくできたコントだ。
　2巻で、話の冒頭でイエスのＴシャツに「ベロニカ」って書いてある（このふたりはいつも、「ジーザス」とか「南無三」とか文字入りのＴシャツを着ているのだ）のを見て、おっ、と思っていると、やっぱりイエスがシャツで汗かいた顔をぬぐったら、その顔がど根性ガエルみたいに転写された！　聖顔布ね。大いに笑う。
　大宗教を扱いつつ、風刺とかパロディとかではぜんぜんない、みじんも思想性のないほんわかコメディを成立させちゃうというのは、日本のマンガならではという気がする。
　まあ、コーヒー用クリームもどきにスジャータって名前つけちゃう会社もあったしね･･･。