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矢内賢二『明治キワモノ歌舞伎 空飛ぶ五代目菊五郎』(白水社、2009年4月)

 面白かった。
 日清戦争までは、歌舞伎は同時代を描く力を持っていたこと。黙阿弥と菊五郎がその言葉、身体・芸を駆使して、事件や新風俗、舶来のサーカスや気球などを歌舞伎の舞台に乗せていたこと。
 専門家には自明のことなのかもしれないが、達者な語り口・切り口で五代目菊五郎と「キワモノ」の魅力が生き生きと描かれている。すてき。
 上野公園のパノラマ館と浅草十二階とスペンサーの風船乗りが、同じ明治23年(1890年)のことだ、と。明治27年には操り人形のダーク一座の公演。この時代、楽しそう!

明治キワモノ歌舞伎 空飛ぶ五代目菊五郎

明治キワモノ歌舞伎 空飛ぶ五代目菊五郎