百人一首
昨年度の終わり、娘のクラスでは百人一首を覚えていた。もちろん対戦も。うちの娘は30くらい覚えたようだ。小学校低学年は意味はわからずともリズムで楽しんでいるようす。生意気にも「むすめふさほせ」などと言っているのであった。
ぼくもつられて、昔読んだ百人一首の本を引っ張り出して眺めてみる。中学の時に買った文庫本3冊、角川文庫の島津忠夫訳・解説、講談社文庫の大岡信、そして新潮文庫の安東次男。
今読むと、やはり安東次男のものがいちばん面白い。常に「百人秀歌」と対照させつつ、他の歌との「合わせ」「対」を重視しながら解釈しているところに独自性がある。大岡信は、通釈の部分が「一種の現代詩訳」となっているのが特徴。角川のやつで基本を確認しつつ、安東・大岡の解説を読む、というのがいいか。
その両者とも、今は絶版となっている。
百人一首を久しぶりに(少し)味わったので、その勢いをかって末次由紀『ちはやふる』を読む。あの騒動から復活を遂げ、しかもおもしろいと評判のマンガである。競技かるたの世界を、青春もの・学園ものとして描いている。家族、才能、仲間、コンプレックス・・・。題材は特殊だが、マンガとしてはストレート、王道だ。おもしろい。マンガ好きが描いているマンガだなあと、好感が持てた。
- 作者: 末次由紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/03/13
- メディア: コミック
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