ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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「群像」5月号を立ち読みした

 ゆっくりと低空飛行を続ける精神状態にむち打ちながら、午後、T書店編集部へ行って、5月に出る予定の翻訳の打ち合わせ。もう何年か越しの仕事だけど、ようやく一段落しそう。
 帰りに本屋によって、「群像」5月号を立ち読み。特集のひとつが「海外文学最前線」、ドイツ語圏の現代文学を解説しお薦め10冊を挙げているのは、松永美穂さん。買おうか買わぬか、しばらく迷って今日のところはとりあえずペンディングにした。文芸誌ってどうしてこう「迷うなら買ってもらわなくてかまわんのだよ」光線を発しているのだろうか。値段も高いし。
 「海外文学最前線」ドイツの項目だが、戦後のドイツ語圏文学の簡にして要を得た解説をしつつ、ギュンター・グラスから2008年デビューのカタリーナ・ハーゲナまで、現在活躍中の作家を紹介している。
 世界の現代文学ということだと、今の話題のひとつは河出書房新社の世界文学全集ということになるんだろうけど、20世紀後半の名作を集めたという池澤夏樹がセレクトしたドイツものはといえば、カフカ『失踪者』、グラス『ブリキの太鼓』(池内訳だそうだ)、そしてクリスタ・ヴォルフ『カッサンドラ』。
 「群像」の特集をざっと読んだところでは、ヴォルフの名前はないようだ。これは「あえて」と読み取っていいのだろうか。「いま活躍中のドイツ語文学の書き手たち」のリスト、あるいは読まれるべき作品のリストから、ヴォルフは消えた。それがドイツ本国も含めての、「ドイツ文学の今」の現実なのかも。
 夕方、娘と夕飯のお買い物に行く。チョコ買ってと言われて買ってあげちゃうことの幸せ。