上野公園で花見客を横目で見つつ
日曜日、早起きして上野公園へ。
西洋美術館で、「ルーブル美術館展」を見る。副題が「17世紀ヨーロッパ絵画」だ。図録をみるとフランス語のタイトルもあって、
Les révolutions de l'âge classique、「古典主義時代の諸変革」
というもの。こちらの方が展示の意図をより具体的に示している。
カタログの目次を引用してみよう。
1.「黄金の世紀」とその陰の領域
プロローグ
絶対主義のヨーロッパと共和国的規範
ジャンルを超えて − 良き趣味の教え
戦争、悲惨、日常生活
2.旅行と「科学革命」
旅行と知の進展
魔法、神話、伝統的信仰
3.「聖人の世紀」、古代の継承者?
親しまれた聖なる物語
キリスト教の世紀に受け継がれた古代
エピローグ
つまり、絵画によって17世紀という近代ヨーロッパの起点とも言える時代のありようを浮かび上がらせよう、ということである。もちろん70点ほどの絵画では少々無理があることはいなめないが、それでも試みとしてはおもしろいと思った。たしかにヨーロッパの17世紀は非常に興味深いのだ。
今回の目玉はフェルメールの「レースを編む女」。1670年前後に描かれたものである。「珠玉の」という形容詞がこれほど似合う絵もないだろう。しかし混み合っていて、見とれるほどのいとまはなかったのが残念。
あと、見ることができて良かったのは、プッサン「川から救われるモーセ」、アンブロシウス・ボスハールト(父)「風景の見える石のアーチの中に置かれた花束」、クロード・ロラン「クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス」、ベラスケスとその工房「王女マルガリータの肖像」、ヤン・ブリューゲル(父)とその工房「火」、ルーベンス「ユノに欺かれるイクシオン」、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「大工ヨセフ」、など。
見終わって、妻と娘は博物館の「大恐竜展」を見にいった。ぼくは上野の森美術館に行き、「VOCA展2009」を見る。大賞のVOCA賞には三瀬夏之介の「J」が。これはやっぱりいい。それから府中市美術館賞の高木こずえ「ground」がすてき。あとは船井美佐、福永大介が良かった。