ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

はてなダイアリーから移行。元は読書メモ、今はツイッターのログ置き場。

11月、歩く

秋は鼻の奥の痛みとともにやってくる。いつもそう。
不思議なことだけれど、鼻の痛みは視覚に影響を及ぼすのだ。意識が眉間のあたりに集中し、気がつくと、何かをじっと見つめていたりする。
鼻の痛みを、目に飛び込む色でそらす。

澄んだ秋の空気を吸い込むときの痛み、そして澄んだ秋の空気がもたらすクリアな色の世界。秋が、空気を媒介として体にはいりこんでくる。

娘の授業参観で、小学校へ行った。毎週一度は小学校へ足を踏み入れるおとうさんなのだが、それは閑散とした放課後のこと。子どもと大人であふれる校内にいると、なんとなく所在ない。
小学校には、いい思い出があまりない。娘のクラス、みな楽しそうにしている。がんばれみんな。

昼を喫茶店で食べた。鼻はまだ痛む。帰り道、修繕中で白いシートに覆われているマンションを仰ぎ見る。これ、クリストだよなあ。シートが風ではためいている。青い空の中に、振動する白。娘は寄り道ばかりしている。

クヌギのどんぐりは手の中でくるりと転がり、そのもじゃもじゃ頭をこちらに向けてなにやら物思いにふけりはじめる。