ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

はてなダイアリーから移行。元は読書メモ、今はツイッターのログ置き場。

白井恭弘『外国語学習の科学』(岩波新書、2008年9月)

 授業が始まって電車に乗るようになると、新書がたくさん読める。新書は通勤のお供。文庫で小説を読んでいると、乗り換えで細切れになっていらいらするのだが、その点新書は基本的に「情報」だから、大丈夫。
 副題は、「第二言語習得論とは何か」。「第二言語習得(Second Language Acquisition, SLA)」という研究分野の専門家が書いた概説書である。著者は高校の英語教師をしたのち、UCLAで英語教授法を学んだ人、現在はピッツバーグ大学言語学科教授。
 いろいろ示唆に富む記述があったが、有効な学習は、基本はコミュニカティブ・アプローチ。そして、まずはアウトプットよりも大量の「インプット」(理解できる内容のもの)を優先させるべき、ということ。そのうえで、アウトプットの「必要性」を常に意識する。直接だれかとコミュニケートしなくても、頭の中での「リハーサル」でも良い、と。
 大学の1、2年生のとき、シュタインベルク先生という外国人教師の授業があったが、よく考えたら、まさにこれをやっていたんだなあ。