令丈ヒロ子『若おかみは小学生!』(講談社青い鳥文庫、2003年)
子供の本の売り場をぶらぶらしていて、ふと手にとって買ってしまい、喫茶店で読む。カバーを掛けてもらわなかったのでちょっと恥ずかしく、表紙カバーを外して読んだ。令丈ヒロ子の評判は知っていたし、このシリーズが特設コーナーとして1巻から最新11巻までずらりと並んでいたことからも、よく読まれている作家だとわかる。100万部を超えているとか。数年前に、南河内万歳一座の座長、内藤裕敬さんがお父さん役で出ていたNHKのドラマ『料理少年Kタロー』の原作がこの作家だった。その『料理少年』も青い鳥文庫(今はラインナップから落ちているようだ。表紙イラストがいしかわじゅん)。1990年デビューだから、もうベテランだ。
若おかみは小学生! 花の湯温泉ストーリー(1) (講談社青い鳥文庫)
- 作者: 令丈ヒロ子,亜沙美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04/15
- メディア: 文庫
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『若おかみ・・・』、小さな旅館を舞台にしたユーモア小説シリーズ、なのだが、小学6年生の主人公、いきなり両親が交通事故で死んでしまう。旅館をやっている祖母のもとに引き取られるが、そこに男の子の幽霊が出てきて・・・と、最初の10ページでものすごい展開。この語り口はマンガのものだろうし、このスピード感と単純さが、このタイプの作品が人気のある理由なのだろう。けっこうおもしろい。そりゃあ、読みはじめにある程度の「ガマン」が必要な作品へとさらに読書の幅を広げていってくれるといいなあ、とも思うのだけど。