ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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ドイツでは一年を振り返り、日本では年を忘れる

 忘年会、年忘れ・・・われわれは過ごしてきた一年にあった「いやなこと」をとりあえず「忘れ」ましょうと、暮れになにやら集まってパーッとやったり、いろんなところのススをはらったりする。そして新年、年の初めをゆっくりと祝う。あたらしい年へのご挨拶であるところの年賀状が届けられるのは年が明けてからだし、年始回りも「今年もよろしく」のご挨拶だ。神(か仏か)に祈るのは、年明け初めてのお参りのとき。
 一方、ドイツ(=ヨーロッパ)では、一年の終わりをクリスマス・シーズンという形でゆっくりと祝う。クリスマスカードはクリスマスまでに届けられ、その中でこの一年にあったことなどを振り返り、伝えあう。教会に行き、ゆっくりと家で過ごしつつ、家族のきずなを確認する。そして大晦日の夜に大騒ぎをして、あけて2日からは平常営業だ。細かく見れば、十二夜とかいろいろあるけれども。
 祝いかた、というか年の越しかたが、ずいぶん違うね。だからどう、っていうわけではないけれど。背景にはいろいろな要素があるのだろうが(「終わりの時」があって、そこで「審判」が下されるキリスト教・・・とか)、それぞれがそれぞれのやり方で時のサイクルを更新していくのだなあ、と興味深く思うだけだ。ただ、記憶というものの扱いかたに関しては、少し気に留めておく必要があるかもしれない。日本における日常の思考のあり方にも、もう少し「記憶」の問題が介在してもいいのでは、と。「ポストモダン」だって結局は記憶の取り扱い法の問題だったのだろうし。
 これを読んでいるみなさんのこれまで蒔いてきた種が、今年、実を結びますように。