ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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雑誌「クロワッサン」2008年1月10日号を買った

 「環境のために、暮らし方を変えてみよう。」という特集。その中のメイン記事、「阿部絢子さんのホームステイに同行取材 ドイツの暮らし方から、私たちが見えてくること。」(ちょっと変な日本語だ)では、「消費生活アドバイザー」の阿部絢子さんが、フライブルクの家庭生活を体験した様子が紹介されている。
 家は築44年の集合住宅、近所のパン屋、肉屋で買い物をし(包装は最小限、自分のバッグや買い物かごを持って)、住宅街の中にある酪農家でとれたての牛乳を持参のミルク缶に入れてもらい、懇意にしている地域のワイナリーでできたワインを愉しむ。街の広場の市で有機野菜を買う。フライブルクは旧市街が自動車通行禁止区域になっていて、移動は路面電車と自転車。ゴミの分別、リサイクルのシステム、「エコ電気」の積極的な利用。子どもたちへの環境教育。ものを大事に長く使う生活スタイル。
 これはドイツでもかなり「進歩的」なライフスタイルだろう。だが、ある程度の大きさの街で(フライブルクの人口は20万人ほど)このような暮らしをやろうと思えばできるというところに、ドイツの環境問題に対する本気度が見える。フライブルクは、そんなドイツの広告塔となっている町だ。
 日本の町って基本的に鉄道の駅を中心として展開しているけど、ヨーロッパでは幹線の駅が町の外れにあるのが普通。歴史的に町の中心が明確に存在し(教会や市庁舎が囲む広場など)、今でもその基本構造を維持しているから、フライブルクのような交通政策も採りやすいのだろう。
 「地産地消」や「リサイクル」、「有機農業」について、ドイツのビールをテーマに紹介している本として、木村麻紀『ドイツビール おいしさの原点』(学芸出版社、2006年)がある。また、都市における環境政策についてカールスルーエ市をとりあげて詳しく紹介した、松田雅央『環境先進国ドイツの今 緑とトラムの街カールスルーエから』(学芸出版社 2004年)もおすすめ。