黒田龍之助『にぎやかな外国語の世界』

昨晩読了。

にぎやかな外国語の世界 (地球のカタチ)

　
　著者の黒田龍之助はスラブ語学の専門家、ＮＨＫテレビの「ロシア語会話」の講師もしていた。さまざまな「ことば」のエキスパート。この本は、白水社の「地球のカタチ」シリーズの一冊として刊行されたもの。地球上にある多様な「カタチ」に驚いてみよう、触れて楽しんでみよう、という趣旨のシリーズのようだ。けして子ども向けというわけではないのに、多くの漢字にルビが振られている。そこにあるポリシーが感じられる。
　文字、音の響き、数の数え方、名前など、ことばの「多様性」を端的に示すトピックがわかりやすく、楽しげに語られていて、おもしろい。著者はぼくと同世代で、ちょっと知識の質の点で似ている感じがする。この本の中で語られていること、ぼくも同じような話を授業の中でする。もちろん、実際に個々のことばを勉強した上で語っている黒田の方が、圧倒的に説得力があるのは当然として。