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山口晃『すゞしろ日記』(羽鳥書店、2009年7月)

すゞしろ日記

すゞしろ日記

銀座三越での展覧会に行って妻が山口晃を大いに気に入り、画集を買ったのみならず仕事で神保町に寄ったついでにと東京堂で『すゞしろ日記』を買ってきた。東京大学出版会の雑誌「UP」で連載している「エッセー漫画」。おもしろいとの評判は聞いていたが、この本が出たときはちょっと手元不如意で買いそびれていたのだ。ラッキー。
いやふしぎな人だ。あのびっしりと緻密な大画面の作品と、このマンガのような力の抜け具合が矛盾なく同居しているところが変で良い。絵が妙にうまい脱力系エッセイマンガ。
重要な登場人物が、丸顔の「カミさん」。須賀原洋行の「実在ニョーボ」とか福満しげゆきの「妻」系の話が好きな者としては、これもツボである。
そういえば画集では、描かれているものが印刷ではあまりに小さくなってしまってなにがなにやらわからないのでプラスチックのルーペがついているのだけど、娘がいっしょうけんめい見て楽しんでいた。「展覧会に行って、はじめてわたしでもたのしいのを買ってきてくれた」とか言っていたよ。