ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

はてなダイアリーから移行。元は読書メモ、今はツイッターのログ置き場。

根津美術館にて「燕子花図屏風」を観る

学童保育からの帰り道。公園の横の道を娘と並んで歩く。
今日ね、いやなことがあったの。だからいまちょっといやな気分なんだ。話してもいい?
いいよ。どうしたの?
体育館でゲームしたんだけど、AくんがEくんとけんかしちゃったの。
そうなのか。
うん。それでね、クラス会で感想を言うことになって、Aくんが「サイアクでした」って言ったんだよ。みんな楽しい気分だったのに、それですごくいやな気持ちになっちゃった。もう、ほんといやだった。
それはたしかにいやな感じだなあ。感想だからいやだったことも言っていいとは思うけど、でも言いかたが良くなかったのかな。
そうかもね。ほんとにいやな感じだったの。

青い空はその明度を少しずつ落として色の深みを増し、濃い群青色の雲がそこに強いアクセントを加えている。

空、きれいだね。この色、大好き。あの色でシャツを作ったらきっときれいだね。
うわあ、それはいいな。お父さんは雲の色もすてきだと思う。
うん、雲もきれい。

*****

竹橋に行った翌日は、表参道へ。新しくなった根津美術館に、尾形光琳の燕子花の絵を見に行った。
隈研吾の設計による新しい建物も見てみたかったので。だがやはり人が多く、子連れでもあり、じっくりと味わう余裕はなかった。NEZU CAFÉも混んでいて入れなかったし(この名前ってやはりネスカフェのもじり?)。
エントランスから建物の入り口まで、竹と黒い玉砂利のコントラストが美しいアプローチを通る。入り口を入ると、正面が全面ガラス張り、庭が見える。
展示室で、燕子花を中心として尾形光琳の屏風絵を堪能。
絵がとても見やすい。照明に工夫があるのだろうか。どの展示室も、角度やガラスへの映り込みなどを気にせずにゆったりと見ていられる。
中央のホールが広さを大きく取られている。切り妻屋根の傾斜がそのまま室内の空間を形作る。竹製のベンチ。いやみのない、和の空間。
もちろん、庭も散策。かきつばたが池に群れて咲いている。
またゆっくりと、すいているときに来てみたい。
美術館の新しいロゴマークは、ドイツ人のデザイナーであるペーター・シュミット氏によるものだとか。NとM、竹、屏風を図案化したもの。

*****

「燕子花図屏風」を見ていて、はっと気づく。娘に言った。

ねえ、この花の色、こないだ見た空の色にそっくりじゃない? 空と、雲。
ほんとだ! ちょっとむらさきっぽいきれいな青の花びらと、雲の色の花びらだね・・・。