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三省堂『子どもの本ハンドブック』(三省堂、2009年6月)

三省堂の「ハンドブック」シリーズの最新刊は、『子どもの本ハンドブック』だった。近所の本屋で見かけて、購入。野上暁、ひこ・田中編。
 あまりこういうブックガイドは買わないのだが、編者にひこ・田中の名前があるのと(『お引っ越し』は面白かった! 徳間から出ている『大人のための児童文学講座』もとてもいい本だった)、たくさんの本が写っている表紙の写真、手前の目立つところにプロイスラーの『クラバート』とヘルトリングの『ヨーンじいちゃん』があり、その横に長谷川義史の絵本『ひつじがいっぴき』(詩・木坂涼)があるのを見つけたから。
 第1部は「子どもの本への招待」として、子どもの本の歴史(日本の)がなんと10ページほどでまとめられている。野上暁執筆。つづく「この本のねらい」はひこ・田中執筆で、それによると、古典的作品ばかりを選ぶのではなく、今を生きる子どもに手渡せる「生きのいい本」を選んだ、できるだけ新しい作品を選んだ、と。
 メインは第2部の、「子どもの本五〇〇編」。「絵本」、「読み物」、「詩の本」、「図鑑・事典・科学絵本」という項目に分けられている。巻末には「子どもの本の博物館・美術館・図書館」と「子どもの本の専門店」リスト。
 ドイツ語圏から選ばれているのは、絵本ではフランツ=ヨーゼフ・ファイニク作、フェレーナ・バルハウス絵『わたしの足は車いす』(ささきたづこ訳、あかね書房、2004年)。読み物では、ヘルトリング『ヨーンじいちゃん』、プルードラ『マイカこうのとり』、プロイスラー『クラバート』、グリム童話集(岩波少年文庫版)、リヒター『あのころはフリードリヒがいた』、エリザベート・ツェラー『アントン』。グリムをのぞいて、ぜんぶひこ・田中がコメントしている。
 まだぱらぱらと見ただけだけど、おもしろそうな作品が並んでいる。水中出産がでてくる「自然育児」の絵本(写真絵本)をすすめるのはちょっと・・・と思ったりもしたが、たしかに「今」が感じられるセレクトで、大いに参考にしたい。
 長谷川義史の作品がたくさん挙げられているぞ。