ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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『崖の上のポニョ』を観た

とりあえず、観たということのみ記す、っていう感じである。なんだかすごいのだが、観たばかりではうまく言語化できない*1
悪夢系。ストーリーは崩壊気味。登場人物(?)たちにフィクションとしてのリアリティがない。母親の暴力的な無謀さの意味が不明。観たあと、ちょっと頭の中がざわざわして気持ち悪い。子どもたちはポニョとそのきょうだいたちの変身・群れ方でのみ笑っている。
波すごい。死の匂い*2。ポニョ母異様。
「人魚姫」、「美女と野獣」といった物語なら、秘密に関する男女間の情報の偏りがストーリーを推進するのだが、その点でもこれは崩壊している。なぜ「好き」なの? 5歳児に理屈はないか。
つまりは、きっと、これまでとは大きく異なる異様なアニメーション=絵とその動きのみが話を進める力となっている、というような気もするが、よくわからない。なんだこりゃ、と思っていると、いきなり「ぽーにょぽにょぽにょ」と終わって脱力*3
それらひっくるめて、すごいアニメだ。すごいことは確か。うちの子供(7歳)はおもしろかったと満足してた。

*1:漱石とかワグナーとかミレイとか精子卵子とかは、きっともうたくさん語られているだろう。

*2:洪水もそうだが、崖の上の家からひまわり園へのふたりの道行は、冥府への旅のおもむきだ。海or川、トンネル。途中で会う家族とか町の人々も、死者の雰囲気がまとわりついている。

*3:しかしこの、最後のあっさりとしたチュッ、ポン! をめざして膨大なイメージが費やされたのだろうな、と。いいかも。