新年度が始まった。

今日から授業がスタート。去年の今ごろの日記に何ごとか書きつけたのを思い出した。

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人と会って話をするだけで大きなエネルギーを消耗する人間が、
この一週間というもの、はじめて顔を合わせる数百のひとたちの、
ひとりひとりの名前を呼んで返事があれば顔を見てうなずきかけ、
みなの視線を浴びながらひとりひとりと「コミュニケート」するつもりで話をし、
問いかけ、大声でＡＢＣを講釈し、
そして金曜の夜になって、
ほとほと「ひとあたり」してひとりになりたくて、
家に帰りたくなくてあちこちうろうろ、
酒も飲めぬしなにしろ見知らぬバーになんか入ったら、
バーテンダーとおしゃれな会話など二言三言交わさなくちゃならないし（そう？）、
せいぜい200円のまずいコーヒーをぽつねんと飲むくらいが関の山、
週末どこかへ雲隠れなんて想像するがそんな勇気ははなから持っちゃいない、
しかたなく日付の変わるころふらふらと家に帰って、
出迎えてくれる妻に、いまちょっとひとりで静かにしていたいのよ、
とも言いづらくて不機嫌顔が関の山。

また新しい四月が始まった。
カラダのまわりに積もるざわざわとした数百の他人の感触が
カラダのなかに次第にしっくりと染みこんでくるころ、
キャンパスを歩く学生たちの顔も
いい感じでほどけてくる。
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去年はちょっと情けない人だったな。
今年も、連休まで、がんばらないと。