ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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月刊「言語」2008年4月号

 特集は、「新しい語学のすすめ マルチリンガルで広がる世界」。新年度・新学期ということで、16の言葉を4ページずつで紹介している。「しくみ」と「アプローチ」という項目を立てて、ことばの成り立ちの簡単な紹介と、初学者がどのように「入門」すればよいかをガイドしている。5項目の難易度グラフつき。
 けして「大学の第二外国語」(とは最近はあまり言わないのだが)用というわけでないのは、ラインナップからわかる。そこは月刊「言語」のこと、タガログ語スワヒリ語アラビア語サンスクリット語などが入れてある。ドイツ語は米井巌先生だ。文法の難易度は最高の5となっている。ロシア語は4だけど?
 勉強を始めるかどうかはさておき、読み物としてもおもしろい。アラビア語には動詞ひとつに変化形が162あり、名詞には単数形と複数形のほかに双数形があるとか、イタリア語で「オー、ソーレ、ミーオー」の「オー」はナポリ方言の定冠詞だとか、スワヒリ語の名詞にはクラス(ドイツ語で言えば性にあたるもの)が16個あるとか。
 そのほか、「私のフィールドノートから」という連載のコーナーでは、林徹という方が「ベルリンのトルコ語」というタイトルで、ドイツの中でのトルコ人トルコ語の現状について解説している。クロイツベルクのゲザムトシューレでアンケート調査をしたことの報告と、「ドイツのトルコ語」の簡単な紹介記事。