ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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笹野尚明『バロックの貴婦人』(響文社、2008年2月)

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 駅前の本屋で見つけて買った。装釘が美しい。表紙が教会の天井画の写真。バロックフレスコ画だ。ディーセンという町にあるバロック様式の教会のものだという(描いたのはヨハン・ゲオルク・ベルクミュラー。67ページに「ベオルグ」とあるのは誤記か)。出版社は響文社、奥付を見ると北海道、札幌の会社だ。谷川俊太郎の詩『みみをすます』に長新太が絵をつけ、英訳も添えた本の出版社として記憶にある。
 著者は中学校教員から教育委員会の仕事を経て、旭川美術館副館長、札幌芸術の森美術館館長を歴任、と著者紹介にあった。
 バイエルンの町にあるバロック様式の教会を訪ね歩き、自ら写した写真とともに紹介した本、あるいは旅行随想録、と言ったらいいか。美術や教会建築に関して詳しい説明があるわけではないが、たくさんの美しい写真を眺めるほどに、自分でも行ってみたくなる。教会と風景とが切っても切れない関係にあるドイツの町々を、居ながらにしてちょっと体験できる本。
 アマゾンにはなかった。なんでうちの近所で売ってたんだろう。