ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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墓参りに4時間かけて水戸へいったこと

 水戸の寺に墓参りに行った。クルマで7時に家を出たがちょっと見通し甘く,けっこうな混み具合で到着は11時近くになってしまった。首都高3号線が火災の影響で大橋ジャンクションから谷町ジャンクションまで下りは通行止め,上りは1車線のみとなっていた影響もあったのかもしれない。
 寺は3年前の大地震で墓石が8割ほど倒れた。本堂などの建物も影響を受け,これから3年くらいかけて建て直すという。石の塀などが,いまだあちこちで崩れたままになっている。古びて異世界の趣を醸し出している本堂をあらためて眺めてみると,屋根にはこんなのがいた。

 もう何十年も毎年のように来ているのに,いままで気づかなかったのだった。
 墓参りのあと,写経をし,お茶をいただく。写経と言っても筆ペンでなぞるだけだが,こういった身体の作法は,まねごとであれいくばくかの精神集中をもたらし,宗教の場との一体感を感得させるものだ。

 近くの,別の寺院を訪ねた。元吉田にある常照寺は,もと吉田城という山城が鎌倉初期からあったところに徳川光圀が寺を建てたもの,という。要所要所に葵のご紋が輝いているのには,そんな由来があるのだった。山門からお堂までの道に風情がある。堀割の跡のくぼみが鬱蒼とした木々に覆われて昼間でも薄暗い。

帰り道,常磐道の友部サービスエリアで遅い昼ご飯を食べた。一昨年にリニューアル,外観は武家屋敷をイメージしたとのことだが,ビミョーである…。釜揚げしらす丼はなかなかうまかった。
 墓参りを数十年とルーティンとして繰り返すことのなかに,日常の時間に刻み込まれる変化=加齢のたしかな証しが意識される。半年ごとの少しずつの変化が,映画フィルムのひとこまひとこまとなって,ふと気づくと一本の時の流れを映し出す。そしてカラカラとすべてが巻き終われば,立ち並ぶ石の群れのひとつに納められるのだ。