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クセナキス『オレステイア』(サントリーホール)

サントリーホールにて、クセナキスのオペラ『オレステイア』観てきた。演出はラ・フラ・デルス・バウス。楽しかった。
舞台真上の2階席の通路側にいたんだけど、始まって主役の歌手がいきなり横に出てきて目の前で歌い出したのでびっくり。
バリトンの松平敬がファルセット使って二役を高速で演じ分け、「歌」なのか「謡い」なのか「能」なのかよくわからぬギリシャ語の歌、池上英樹の打楽器に合わせて舞台上空に投影された文字が躍り震える。出演者は客席も含めてホール中を縦横無尽に動き、合唱隊は不思議な衣装、舞台まん中の、とげの生えた4本の腕をもつ大きな白い物体が、最後に人間たちをつり下げてメリーゴーラウンドのようにぐるぐる回転、客席中央に座る観客も打楽器や緑のシートを振り振りして参加、はったりちゃめっけときにほろり、クセナキスの音楽が明るく楽しく(!)発散して、おおもりあがりの祝祭的熱狂のうちに終了。見終わって何かが残る、というわけではないけれど、楽しめた70分でした。
ラ・フラ・デルス・バウスはバルセロナ・オリンピック開会式の演出をしたんだったか。

(追記。舞台後ろに並んでいた、全身真っ白な衣装の子供たち、やはりあれは原発事故の時の「防護服」なのだろうか。あと、最後の場面で主役の歌手の頭についていたのは、やはりあれはスカイツリーだったのだろうか。ラ・フーラ・デルス・バウスに関しては、ハンス=ティース・レーマン『ポストドラマ演劇』165ページ以下に言及あり。)