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『よつばと! 11』

よつばと! 11 (電撃コミックス)

よつばと! 11 (電撃コミックス)

よつばと!』11巻を読む。表紙がすごくいい。とーちゃんとよつばとくまのジュラルミンが図書館だろうか、でならんで本を読んでいる。緑と茶色系統の配色のバランスの良さ。そしてカバーを取ると、まったく同じ構図で、しかし読んでいる本は変わっている。その間、時間が経っているのだろう。こういう仕掛けまで含めて、緻密に構成された作品なのだ。
台詞のないコマのシークエンスの「芸」にいっそうの磨きがかかっている。一つの瞬間を、画面を切り替えることで数コマに展開したり、逆に構図を固定して時間の「ため」を作ったり。
最後のページなんか、もう時間が止まって永遠の幸福感が表現されている(ちょっと大げさか)。
しかし様式美が確立されればされるほど、よつばの世界は現実から離れていってしまう。無時間の、どこか別の世界へ。その意味で、ジュラルミンの沈黙とよつばの沈黙を重ね合わせたのは、ちょっと危険でもあるのだ。
まあそれはそれとして、落ち込んでるよつばはかわいいけどね。あと、しまうーがでてきてうれしい。「おっちゃんは/におうさんですか…?」がツボにはまった。