ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

はてなダイアリーから移行。元は読書メモ、今はツイッターのログ置き場。

トーハク「空海と密教美術展」

ひさしぶりにブログを書くのだ。
家にこもってひたすら採点をしていると、なんとなく文章を書くアタマにならないのが不思議である。非常勤講師生活は、こうやって研究者としての能力を奪っていく、のだなあと。
娘と近所のプールに行ったら少し「回復」したので、書く。
日曜日、上野は東京国立博物館へ行った。小学生の頃からの仏像マニアたる妻が非常に楽しみにしていた展覧会。重文、国宝だらけ、という触れ込み。会場前に行ったが、もう行列ができている。人生を長く過ごされてきた方々が、なんとなくみな浮き浮きとした感じで並んでおられる。
ぼくには仏教や仏像についてなにか語るだけの知識がない。密教というのは不思議なものだなと思うばかり。妖しげな法具、如来や菩薩、十二天曼荼羅。東寺や醍醐寺の仏像たちを間近で見上げることができるのが、不思議な感じだ。寺院というコンテキストから離されて無機質な空間に置かれた仏像は、その「グローバル」な性質をあっけらかんとむき出しにしている印象。
仏教という抽象的思想体系の中に折りたたまれた、生々しい現世の肉体・感情。増殖するイメージの裏に緻密な論理が装填されている。
雑誌「PEN」芸術新潮」が密教美術の特集だった。読んでみよう。

(8/10追記:空海密教の特集は「芸術新潮」だった。「PEN」はイスラム特集。)