ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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新聞を読み選挙に行って花見をしてバレエを見た

・朝起きて、日経新聞を読む。最終面の文化欄は、作家の森絵都のエッセイ「ドイツで触れた心」。日独交流150周年の行事として、日本ペンクラブ〈子どもの本〉委員会の企画で日本の児童書をドイツに紹介する催しがベルリンで開かれた。地震の後、3月17日にドイツへと旅たった森は、原発に絡んでドイツ政府や報道の姿勢の厳しさを感じつつも、

それらの公の見解と、一般のドイツ人が一般の日本人へ向ける眼差しはまた別物である

と。
ホテルの受付の女性からは「無事だったのね」と祝福され、レストランで隣り合わせた客から「怖かったでしょう」と声をかけられ、催しでは画家のミヒャエル・ゾーヴァからあたたかい言葉をもらうのだ。
滞在5日目、携帯電話で見るネットニュースのトップから「原発」の文字が消えたのを見て「安堵で脱力」した森は、

 ふらふらとホテルの玄関をくぐり、エレベーターに乗りこむと、偶然、居合わせたドイツ人の紳士から「どこから来たの?」と尋ねられた。
「日本から」
 あの日本、との意を込めて答えると、彼は静かな目をして頷いた。そして言った。
「君たちが全力を尽くせるように祈っている」
 短い一言だった。なのに、エレベーターを降りたとたんに涙が溢れてきた。


・投票所へ行き、帰りに近所の川沿いに並ぶ桜を眺めつつ歩く。満開である。たくさんの人がのんびりと散歩を楽しんでいる。ぱっと咲きさっと散る桜は、僕らの生活時間に打たれる読点だ。一息入れて、次に進む。家族で毎年ほぼ必ずここに来て桜の下を歩くようにしているのは、そんな瞬間を大事にしたいから。

・午後は、スターダンサーズバレエ団公演『シンデレラ』を見た。ゲストでシンデレラを踊るのは、吉田都である。王子様はロイヤルバレエのヴァレリー・ヒリストフ。吉田都はほんとうに素敵。どの瞬間を切り取っても、常に美しい。妻も娘も大いに満足した様子。鈴木稔の振り付けも楽しく、たくさん来ていた子どもたちも楽しめただろう。

・そして東京都知事はあの現職知事の当選確実と。震災も、原発も、都知事選の結果も、目の前のシビアな現実だ。ここからどのような未来を作っていくのか。オルタナティブをどう見出していくのか(今回は対抗する候補があまりに...)。我が神奈川もタレント知事が誕生か。託すべき専門家を生むシステムがない、ということなのだろうか。

・腰痛が、顔を出す機会を虎視眈々とうかがっている。今日は数回のピクリで済んだ。なんとか押さえ込まねば。