ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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立川流一門会に行く

新百合ヶ丘川崎市麻生市民館にて立川流一門会。志ら乃、談笑、志らくパックンマックン、そして談志。
劇場は千人ほど入るようだが、さすがに客席は埋まっている。6時開場が遅れ、人が会場前に溢れている。最初に出てきた志ら乃が、こちらの不手際で・・・などと謝っていたから、舞台裏でなにかあったのだろうか。
その志ら乃、マクラに幼稚園で落語をしてさんざんな目にあった、という話をしていたが、あまり印象の良くない内容。園児だって客だろう。客を他の場所で腐すのはいかん。ネタは「狸の札」。落語のマネしてるみたいだ。器用な人なんだろうな。
談笑は「片棒」を現代風にアレンジしたもの。派手で楽しい。でもサゲがこんなのなのだ。
大店を営むケチ兵衛が三人の息子の誰に身代を譲るか決めるため、自分の葬式の企画を息子たちに立てさせて・・・という話だが、最後の三男は上の二人とは腹違い、母親はイタリア系のユダヤ人、葬式でだってカネモウケしちゃう、われらユダヤの民にとってなにより大事なのはカネ・・・ときて、最後、葬式なんてお金がかかるからよしましょう、なにごともリサイクル、角膜、心臓、腎臓、みんな売り飛ばしちゃう、皮膚でランプシェード作って脂肪で石けん作って・・・おいおい、それじゃアウシュビッツだよ・・・いえいえ、これがユダヤ人のやり方です、ていう。
これ、おもしろいのか?
人間をレッテル貼ってひとくくりにして笑うのは落語っぽくない。ひとりひとりの人間の愚かさを愛情持ってじっくり描いて笑うのが落語なんだと門外漢としては思っていたのだけれど。
志らくは「長短」。せっかちやとのんびりやの対照がすべての単純なおはなしだが、たいへんおもしろく聞けた。志らく師匠は好きだな。
中入り後はまずパックンマックン。けっこう笑った。語学系漫才。
そして談志。ささやくような声。息を吸うひゅーという音のほうが大きく聞こえる。ときおり弱々しく咳き込む。しかし次第に、それも含めての「芸」が客席に伝わってくる。
まず「長屋の花見」。サゲは「酒のおかわりを持ってきました」。そしてさらに「蜘蛛駕籠」。
爆笑、は、ない。しかし輪郭のはっきりとした話を聞かせてもらった。
6月にはこの会場で小三治の独演会もあるらしい。