ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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今年も箱根で雪に遭う

先週末、箱根に行った。昨年は3月終わりに行って大雪に遭い、今年は2月半ばに行って雪だった。いつ行ったって雪なのだ。

芦ノ湖畔で泊まり、帰りは旧道を湯本に向かう。今日は良く晴れている。

折りたたまれたように曲がりくねる道を、ノーマルタイヤにチェーンを巻いてゆっくりと走る。日陰ではまだ雪が残っていて、その少しどろり、じゃりじゃりした雪をかむタイヤの感触を手の中で逃がしながらハンドルを切り込むと、カーブの先には光だまりがあり、そこでは熱を吸収したアスファルトが水分を蒸発させ、しかし外気ですぐに冷やされて白い湯気となってもやもやと路面から立ち上っているのだ。
おそるおそるの運転で気疲れしたので甘酒茶屋でひと休みしていると、道から駐車場へと登るスロープの雪の上を、しゅるしゅると派手にホイールスピンさせながらピンクの軽自動車が登ってくる。唖然として見守るギャラリーのまん中でぎゅんと停まると、運転席と助手席に座る若い女性はあっけらかんとした笑顔を残し、くるりとUターンして軽やかに走り去った。
ふう、と肩の力が抜ける。なんだか、気が抜けた。
娘は雪で遊んでいる。じゃりじゃり、もやもや、しゅるしゅる、が頭の中でくるくると渦を巻き、目の前の映像にブロックノイズが混じる。この映像は、本来ならば僕が見ているはずのないものだ、という、あのいつもの感覚がやってくる。
センチメンタルな感慨に浸るには、もう歳を食いすぎた。むしろ、あっち、だ。あっち、は確実に近くにある。

箱根湯本に着いて、麦とろごはんを食べた。連休だからか、けっこう人出が多い。早雲寺の近くに駐めた車へと向かいながら、色を探している自分に気がつく。

こっち、はやっぱり楽しいのだ。