ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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いつものように神田明神に初詣に行って、

そのあと上野へ行った。
神田明神は結婚式を挙げたところなのだ。ぼくは近くの順天堂大学病院で生まれ、5歳まで神楽坂で育ち、母の実家と父のやってた写植屋が飯田橋にあったので、このあたりはなじみの場所である。
賽銭を投げてお参りをして、絵馬を奉納。

娘がおみくじをひいたら、大吉が出た。

初詣のあとは不忍池と都鳥たちを眺めつつ上野のお山へ登り、東京国立博物館へ。「本館リニューアル記念」として、「名品」が「特別展示」されているのを観に行ったのだ。16日まで。
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B06&processId=00&event_id=8145
まずは尾形光琳の「風神雷神図屏風」。さすがの迫力、けれど見て楽しいのは左隣にある伊藤若冲の鶏の絵だ。

一羽一羽、見ていて飽きない。
次に狩野永徳「檜図屏風」。これはね、凄い絵。太く荒々しい檜の大木と峨々たる山並みの圧倒的な迫力を、白抜きの雲=画面の空白がすっといなす。風景画だが、すさまじいセンスのデザイン画でもある。
そして雪舟「秋冬山水図」。これはもう、見るべし、と言うしかない。特に秋。
2点の国宝を見て眉間がきゅうっと強ばったのを、ふたつの書でやんわりとほぐす。「古今和歌集 元永本」と「熊野懐紙」。12世紀の雅の世界。想像の手をすっとのばして文字をたどってみると、身体の奥がしんと冴えていく。
もうひとつ、北斎の「富嶽三十六景」があったが、これはざっと見るだけにした。今日はもう、北斎を見る気分じゃない。
さて、トーハクを出て、西洋美術館へ。途中で娘のバッグ行方不明事件などがあり慌てたが、なんとか閉館45分前くらいに滑り込んだ、「アルブレヒトデューラー版画・素描展」。こちらも16日までだ。

「宗教」「肖像」「自然」というテーマに分けての展示である。メルボルン国立ヴィクトリア美術館の所蔵品と西洋美術館のものが中心。お目当ては「メレンコリアⅠ」だが、それは一番最後にあった。
あらゆるものを、すべてを知ろうという欲望、それをあまさず図像化しようとする情熱。ルネッサンスのすごさをデューラーは体現している。
娘とともに見入ってしまったのは、「神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の凱旋門」。帝国全体をまるごとひっくるめて視覚化するという、壮大な紙のモニュメントだ。
デューラーに対してこういうことを言うのは変かもしれないけれど、見ている最中に感じていたのは、「見る快楽」だった。図像というものが持つ、認識の喜び。
あとは、図録で勉強だな。