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岩村偉史『ドイツ人の価値観 ライフスタイルと考え方』(三修社、2010年8月)

ドイツ人の価値観―ライフスタイルと考え方

ドイツ人の価値観―ライフスタイルと考え方

ドイツで生きている日本出身の方が書く、生活の実感に基づいたドイツ・ドイツ人論もおもしろいけれども、印象論ではなくてもう少し具体的なデータがほしい、と思うことがよくある。
この本はその辺が充実していて、なるほどと思うところが多かった。著者は在日ドイツ連邦共和国大使館勤務の方。

1章 自然と言葉
2章 連邦共和国とは
3章 都市と交通
4章 環境と秩序
5章 暮らしの中のキリスト教
6章 女性をめぐる状況
7章 住居と暮らし
8章 食生活
9章 資格を大切にする社会
10章 教育の現場では
11章 ドイツ人の働き方
12章 ドイツ再統一から20年
13章 社会的市場経済の国
14章 「中欧の国」ドイツ

ドイツに関する入門書として、大学生にとても良いのではないか。社会のあり方や暮らしぶりの、おおよそのところがわかる。見通しが良くなる。
始めて知ったこと:
・クリスマスプレゼントの第1位は・・・現金・ギフト券、なんだって。全体の5分の1。人びとはそれを持って、クリスマス明けの店に殺到するらしい。さらに、品物をもらっても、気に入らないと店に行って返品・交換する人がたくさんいる。4分の1ほどが返品されるとか。
・結婚する際、役所で婚姻届に署名するのだが、そのときに役人も礼服を着て、スピーチをしてくれる、のだと。
・2004年まで、「バーゲンセール」は法律で禁止されていた。夏と冬の二回だけ、特別に許可されていた。
バイエルン州に駐屯する国防軍の兵士は、昼食のときにビールを1.5リットルまで飲んでよい。その他の地域では禁止。
・大学を卒業するのは、学生全体の19%(2002年)。就職のあり方が日本とは異なるとはいえ、ずいぶんと少ない。

こういう本を読んでネタをこつこつ仕入れて、授業で話すのである。