ホンダヨンダメモ(はてなダイアリー版)

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羽海野チカ『三月のライオン 4』(白泉社、2010年4月)

学童保育から帰ってきた娘が、しょんぼりしている。
どうした、と聞いたら、今日はドリルをたくさんやって、自分が決めたところまでやらなくちゃとがんばって、わからないところもあって時間がかかって、そしたら遊ぶ時間がなくなっちゃって、公園にも7分しかいられなくて、と。
もっともっと遊びたかったの、と泣きべそをかきながら訴えるのだ。
泣きたくなるほど遊びたい、のか・・・。おこさまってすごいな・・・。
腰の痛みはだいぶ薄らいだ。普通に歩けるようになった。でもまだ長い時間は椅子に座っていられない。あとひと月ほどは用心しながら過ごさねば。
寝ころびながら、『三月のライオン』の最新刊を読む。

3月のライオン 4 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 4 (ヤングアニマルコミックス)

人と人との関わり、さまざまなしがらみが、生きる上での壁となり、かつ力となる。すべては自力で切り開いていかねばならないが、しかしそこに人との濃密なやりとりがなければ進んでいけない。それはつらいけれど、でもそれが生きるってことだ、
というようなことをひたすら描いているのが羽海野チカなのだ。ビルドゥングス・ロマンの描き手なのだな。
今回はそれを、対照的な二人の棋士を描くことで、もう思う存分クリアに浮かび上がらせているのである。
生の気配を感じさせぬ名人と、人間くささたっぷりの、挑戦者。結果は・・・。
羽海野チカがなんで将棋マンガ? と最初は思ったけれど、なるほど、これははまっている。
羽海野チカは絵も魅力的だけれど、基本的に言葉の人なんじゃないかな、と思う。モノローグをひとつのページにダブらせる技を、今回もたっぷり味わえる。
しかし、この物語は長くなりそうだなあ。